2007年5月19日のプログラム

古くて新しいベートーヴェン
ベートーヴェン ピアノソナタ第32番 ハ長調 Op.111
高田菜穂の世界を楽しむ

<ピアノ>堀内久世,高田菜穂,MEG
  
 強い陽差しに汗ばむほどの日と肌寒い日、この寒暖の差がとても大きいこの頃です。5月19日のルネック第49回土曜定期サロン「古くて新しいベートーヴェン」のサブタイトルは−サンキュー、ベートーヴェン・全32曲完結−、「ピアノソナタ第32番」が演奏されました。冒頭の激しい緊張感を表す復付点音符の序奏では初期の『悲愴』を追憶し、第一楽章では人生で味わうさまざまな感情(怒りや不安、それに立ち向かう闘争心と一瞬の幸福)が日記のように語られ音楽として見事に凝縮されています。コーダにソプラノの天女の声が現れ、波のような低音に導かれてハ短調からハ長調へ移行するその瞬間にあらゆる苦悩から救われた作曲者を私達はそこに見るのです。第二楽章は天国の音楽とも思える四声の「小アリア」とそれに続く変奏曲。躍動感と幸福感にあふれた三連音符で綴られ「教会の鐘」が鳴り響くようなクライマックスを迎えます。きらびやかなトレモロや二重、三重のトリルによって表現された最終部分では天上の様子を私達に伝えてくれます。・・・「新約聖書」といわれるピアノソナタ集の完成です。高い精神性と作曲技術に到達し、代表作「第九・歓喜の歌」等によって『楽聖』は今も世界中に情熱の連鎖を広げています。

 恒例のコーヒーブレイクは満たされた幸福な笑顔でいっぱいになりました。後半は大ヒット中の「千の風になって」、「イエスタデイ」「イエスタデイ・ワンスモア」「リベルタンゴ」をピアノ、バンドネオン、キーボードのトリオで楽しんだ後、ゲストの高田菜穂さんのソロで「めぐる季節」「君をのせて」「Caminito」「Uno」「フローネ」「ゲゲゲの鬼太郎」「白い恋人」「Never On Sunday」「オルフェのうた」など満喫しました。次回は6月30日。ゲストはこの6月から名フィル.主席になったヴァイオリンの小森絹子さん《古くて新しいベートーヴェン50回記念公演》です。どうぞおたのしみに
 
 
ルネックに住むピアノ≪ルル≫より
<戻る>