2007年4月21日のプログラム

古くて新しいベートーヴェン
ベートーヴェン「15の変奏曲とフーガ変ホ長調」《エロイカ変奏曲》
シューベルト「アルペジオーネソナタ」

<ピアノ>堀内久世 <チェロ>太田一也
  
 心地よい風が身も心も軽くしてくれるさわやかな五月。行楽シーズンもたけなわとなりました。4月21日のルネック土曜定期サロン「古くて新しいベートーヴェン」は−その時ウィーンの街では−というサブタイトルで行われました。英雄ナポレオンへのひそかな憧れと親近感からベートーヴェンは第3交響曲「英雄」(1804年)を作曲。それに先駆けて「15の変奏曲とフーガ変ホ長調」《エロイカ変奏曲》(1802年・・・ハイリゲンシュタットにて謎の遺書が書かれた)がピアノ独奏用に作曲されました。この作品はその後の爆発的な想像力を発揮していく転機に当たる物としてとても興味深い曲です。テーマとその変奏曲のさまざまな様相は主人公ボナパルトのあらゆる場合のいろいろな表情が思い起こされ、パロディーであるとさえ感じられます。フーガからコーダにかけては偉大な人物を物語るにふさわしい誇大妄想的な表現でドラマが終ります。大音響の終結とともに会場の皆が我に返り、いつものように和やかなコーヒーブレークとなりました。

 後半は名フィル定期公演終了後に到着したばかりの太田一也氏が登場し、哀愁漂うシューベルト作曲「アルペジオーネソナタ」が演奏されました。センチメンタルに美しくうっとりさせる魔法の響きはシューベルトという天才なせる業か…。ウィーン古典派の大家たちとは違い、シューベルトはその街で生まれ、最高の音楽的環境から特別な感性を身につけて育った特異な存在。ウィーンを舞台にまったく違う二人の作曲家をまったく違う音で二倍楽しめた。ボリュームがあって圧巻・・・という感想を頂きました。    次回5月19日はベートーヴェン最後のピアノソナタ32番ハ短調。ゲストは活躍中のピアニスト高田菜穂さんで《サンキュー、ベートーヴェン》さて何が飛び出すでしょう。 どうぞおたのしみに。
   
ルネックに住むピアノ≪ルル≫より
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