2007年3月17日のプログラム

ピアノソナタ31番 変イ長調  Op.110
モーツアルト「トルコ行進曲」
ベートーヴェン「エリーゼのために」
シューマン「トロイメライ」
ショパン「子犬のワルツ」
平井康三郎「さくらさくら変奏曲」

<ピアノ>堀内久世 安藤菜友里
 満開の桜が例年より早く、色とりどりの花達と咲きそろう今年の春です。ルネックの3月17日の土曜定期サロン「古くて新しいベートーヴェン」では1821年作曲の「ピアノソナタ第31番変イ長調Op.110」が演奏されました。第28番からのピアノソナタに必ず出現する天女の姿が目に浮かぶようなフレーズが第一楽章冒頭から始まり、天使の歌声が響き物語が進みます。第二楽章は短調の戦う戦士(作曲者自身)と長調の天空から舞い降りる光の渦の対比が幻想的ドラマを構成して第三楽章へ移ります。この楽章はまるでオーケストラピットから響くオペラの序奏のように深刻な内容。暗闇からレスタティーヴォが聞こえて来ます。天に届くような長い悲痛な祈りの後、変イ長調の躍動するフーガが力強く展開し、再び祈りの場面へ・・・。すると今度は急に空が明るく開け、その瞬間に天女が現れてト長調の逆行するフーガが始まりました。続いて次々と光の固まりのような音形が現れ、浮かびあがる感覚が会場を包みました。そのままぐいぐいと浮上する力に吸い込まれるような大きなエネルギーとともにコーダが終了。

 コーヒーブレイクでのお客様の声は・・・「2度目のフーガでぱっと明るくなった時が感動的だった」「終わり方がすごい力で引き込まれるようだった」‥。また、「不滅の恋人と天女は関係があるのだろうか」という質問も飛び出し、「それは実生活を超越した境地なのではないか」というやりとりも。後半は安藤さゆりさんが弾く親しみやすい曲。モーツアルト「トルコ行進曲」ベートーヴェン「エリーゼのために」シューマン「トロイメライ」ショパン「子犬のワルツ」最後に日本の平井康三郎「さくらさくら変奏曲」等、楽しいお話を交えての演奏。 次回4月21日はシューベルト「アルペジオーネソナタ」他。 どうぞおたのしみに
ルネックに住むピアノ≪ルル≫より
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