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『かもめのジョナサン・・・抜粋』 Richard Bach 1970著 五木寛之1974訳より


 すべてのカモメにとって、重要なのは飛ぶことではなく、食べることだった。 だが、この風変わりなカモメ、ジョナサン・リヴィングストンにとって重要なのは、 食べることよりも飛ぶことそれ自体だったのだ。その他のどんなことよりも、彼は飛ぶことが好きだった。

 彼はほかのカモメたちと話をする間も惜しんで、日没後も飛び続けた。 そして彼はついに、宙返り、緩横転、分割横転、背面きりもみ、逆落とし、大車輪、など 数多くの高等飛行技術を発見したのであった。

 みんながこのことを聞いたら、と彼は考えた。おれのこの<限界突破>のことを聞いたらきっと大騒ぎして喜ぶぞ。いまやどれほど豊かな意義が生活に与えられたことか!漁船と岸との間をよたよたと行きつもどりつする代わりに、生きる目的がうまれたのだ!われわれは無知から抜け出して自己を向上させることもできるし、知性と特殊技術をそなえた高等生物なのだと自認することも可能なのだ!われわれは自由になれる!いかに飛ぶかを学ぶことができる!彼の心にうかぶ未来の日々は、希望にあふれて明るく輝いていた。

 しかし、ジョナサンは「・・・思慮を欠いた無責任な行為のゆえに」 「汝はカモメ一族の尊厳と伝統を汚した・・・」と、カモメの社会から追放された。







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